マンゴーの収穫技術の色々

日本の技術、タイのやり方



地面に落下させないようにネットをかけた
アーウィンの果実(石垣、日本)

道具を使ってマンゴーの果実を収穫する様子


道具の先端の構造

 日本産マンゴーの約9割を占めるのは、米国のフロリダで育成された‘アーウィン’という品種です。この品種は、自然落果する時期に完熟しており、これを常温で2~3日追熟させることで美味しく食べられることから、網(ネット)や果実袋を使って、自然落果した果実が地面に落ちないように管理、収穫しています。このような収穫技術は、ハウス栽培のアーウィンにあわせて日本で開発されたと言えます。

 しかし、他の品種がアーウィンと同じような成熟特性を持つわけではありません。多くの品種は自然落果するまで樹上に置いておくと過熟になり、「果肉崩壊」という障害が発生します。そのため、日本以外の地域においては、着色がある程度進んだ段階で収穫し、常温で数日から1週間くらいかけてじっくり「追熟」させることが一般的です。品種によって、栽培の仕方によって、地域によって、色々な工夫がされているのです。

 例えば、露地栽培をしているタイでは、マンゴーの樹は大きいので、高いところにある果実は道具を使って収穫します。一般的な道具は、長い竹の先端に刃物とネットを取り付けたもので(写真)、果実がネットの中に落ちるよう、引っ張りながら収穫します。写真は地面から届くところの果実を収穫している様子ですが、大きな樹では、樹に登りながらこの作業をします。


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