日本における栽培技術の開発

ハウス栽培マンゴーは日本独自の技術


 日本国内で生産されるマンゴーのほとんどは、ハウス栽培によるものです。その主な理由の一つは、温帯・亜熱帯地域にある日本でも熱帯性果樹であるマンゴーが生育しやすい温度環境を保つためです。さらに、花に雨が当たらないようにするためでもあります。東南アジアのマンゴーの産地では、マンゴーは雨の降らない乾季に開花しますが、年間を通して雨が降る日本では、開花シーズンにも雨が降ります。花粉や雌しべが雨に濡れると、マンゴーはうまく受粉できず、実ができないのです。

 高温期が限られ、開花期に雨が多い日本では果実が採れることはほとんどなく、マンゴーそのものが注目されていませんでした。しかし、沖縄県が雨よけ栽培技術を開発したことを機に、マンゴー栽培は国内の暖地に広がっていきました。ハウスという限られた施設の中で効率よく、品質のよい果実を安定生産するため、剪定、受粉をはじめとする集約的な栽培技術が開発されました。その結果、高級果実としての国内産マンゴーが定着し、その栽培が飛躍的に広がりつつあります。


国際農研 / JIRCASマンゴー遺伝資源サイト / マンゴーミニ事典