マンゴーの食べ方、利用の仕方

インドや東南アジアでは庶民の果物!



ジューシーで甘い完熟果


スティック状にカットした未熟果(ラオス)


未熟果を利用した魚料理(タイ)

ヨーグルトにトッピングしたマンゴージャム


マンゴーのドライフルーツ

 熱帯地域ではマンゴーは長い歴史を持つだけでなく、庭先や生活空間に樹が植えられており、マンゴーの季節には地域産の果実が手頃な価格で市場にあふれており、とても身近な果物です。例えばタイの場合、1キロあたり100~300円くらいと、屋台のラーメン1食分くらいの価格で売られています。

 インドや東南アジアの国々には、長いマンゴーの歴史の中で培われてきたさまざまな調理法、利用法があります。熟した果実を生食する(写真)のはもちろんですが、まだ緑色で硬く酸味が強い未熟な果実も利用します。未熟果は適度な大きさに切ってそのままスナック感覚で食べたり(写真)、料理の付け合わせに使ったり(写真)、漬物にもします。インドではチャツネと呼ばれるソースのような保存食の材料にも使われています。近年では、ジュース、ピューレ、缶詰、ドライフルーツなどへの加工品の開発も盛んになっています。果実以外にも、若い柔らかい葉を葉野菜のようにして食べたり、さらには染料として利用したりする地域もあります。古くからマンゴーを栽培してきた国では、マンゴーは人々の生活に長く利用されてきた歴史があり、庶民の生活になくてはならない果樹であり、果物なのです。

 日本におけるマンゴーの利用や生産の歴史は短く、輸入青果や限られた国内生産に頼っているため、他の果物に比べると価格が高くなっています。例えば沖縄県では、通常、温州ミカンは1キロあたり平均211円、パインアップルでは243円であるのに対し、マンゴーでは1キロあたり平均1,171円です(平成27年度データ、沖縄県農林水産部中央卸売市場)。そのため、マンゴーは日常的に食べる果物というよりも、贈答品のような特別なものとして利用することが多い状況です。熟した果実を生食するのが主流ですが、最近はお菓子の材料やジャムなどの加工品にも利用されるようになっています。


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