マダガスカルの貧困削減、栄養改善、持続的農業の推進に貢献~国際農研の提案課題がSATREPSに条件付き採択~

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科学技術振興機構(JST)と国際協力機構(JICA)が共同で実施しているSATREPS(地球規模課題対応国際科学技術協力プログラム)の令和6年度新規採択研究課題(生物資源分野)として、国際農研の提案課題が条件付きにて採択されました。

科学技術振興機構(JST)と国際協力機構(JICA)が共同で実施しているSATREPS(地球規模課題対応国際科学技術協力プログラム)の令和6年度新規採択研究課題(生物資源分野)として、国際農研の提案課題が条件付き*にて採択されました。

*相手国機関との実務協議が合意に至り、正式に共同研究を開始できるまでの暫定処置

研究課題名:ゼロハンガーとゼロエミッションに同時貢献する水田を中心とした食料生産システムの創出

研究代表者:生産環境・畜産領域 辻本泰弘プロジェクトリーダー

主要相手国研究機関:マダガスカル共和国・農業畜産省

研究課題の概要:
本研究は、農村部の貧困と森林消失にともなう農地劣化が深刻なマダガスカルを対象に、同国の基盤的農地である水田での作物の生産性と多様性を高める技術的解決策、森林消失が水田生産に及ぼす影響の科学的エビデンスを同時に提供し、普及活動や政策に反映する。それにより、不安定な農業生産と環境負荷の負の連鎖に歯止めをかけ、持続的な食料生産システムに転換できることを明示する。具体的には、(1)水稲への局所施肥法P-dippingを技術の柱として、化学肥料の施用量や水田からの温室効果ガス排出を抑えつつ、生産性と多様性を高める水田高度利用法の開発、(2)水田裏作の野菜・マメの生育を促す微生物利用技術の開発、(3)開発技術の普及手法の確立とインパクト評価、(4)森林が水田の安定生産を支える機能の定量的評価の4つの課題を実施する。得られた実践例が国内外に波及し、アフリカの貧困削減、栄養改善、および持続的農業の推進に貢献することを目指す。

SATREPSは「科学技術外交」強化の一環として、実施されているプログラムであり、開発途上国のニーズを基に、地球規模課題を対象とした国際共同研究を推進しています。国際農研は、上記の新規採択課題を含めたSATREPSでの活動により、SDGsに積極的に対応すると共に、国際共同研究を通じた地球規模課題の解決を通じて、国際社会に貢献します。

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