シカクマメ種「ウリズン」
「ウリズン」は、我が国亜熱帯における夏野菜として好適な高温性作物として、1980年代に国際農林水産業研究センター(旧熱帯農業研究センター)が8か国から集めた44品種を供試し、選抜によって育成された品種である。沖縄県、鹿児島県、東京都小笠原で実施された圃場試験で、高温・長日条件下での開花・結莢の安定性や収量・品質等から「ウリズン」の優秀性が認められた。
なおウリズンとは沖縄県地方の方言で、若夏すなわち本格的な夏の到来を間近に控えた新緑さわやかな時候を意味する。
背景・ねらい
我が国亜熱帯の夏期は、高温で日射が強く、病虫害の発生が多く、台風の襲来も多いため、良質の野菜を生産することは極めて困難であり、亜熱帯の気候に適した新規野菜の導入・育成が強く望まれている。
1970年代以来の各種試験の結果、シカクマメは熱帯産の病虫害に強い、多収性の豆科作物であることが認められたため、1980年代に8か国から集めた44品種を供試して、我が国亜熱帯における地域適応性の高い品種の育成を図るための研究を行った。
特徴
- ウリズンは高温性作物で、気温が20℃以下では生育が極めて緩慢になる。種子の好適発芽温度も25~30℃と高い。
- 沖縄県の露地栽培では気温が20℃前後になる3月下旬~4月上旬が播種適期で、6月~11月まで収穫可能である。
- 到花日数は、春まき栽培では70日、夏まき栽培では60日前後である。
- 若莢は4翼を有し、淡緑色でやや湾曲し、開花後13日前後、莢の長さ10~13cm、重さ約8g程度が収穫適期である。
- 株当たりの若莢年間収穫数は300~500個、総収量は3t/10a前後である。
登録・出願情報(育成者権の存続期間満了)
■出願先国:日本
- 農林水産植物の種類
- Psophocarpus tetragonolobus (L.) DC. (シカクマメ種)
- 品種名称
- ウリズン
- 旧系統名
- 石垣1号
- 出願番号
(出願日) - 第1881号
(1986/3/31) - 公表日
- ー
- 登録番号
(登録日) - 第2342号
(1990/8/4) - 育成者権の
存続期間の終期 - 2005/08/05
※期間満了 - 育成者権の共有者
- -
(単独)
関連文献
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