国際科学諮問委員会(第4回)開催

国際科学諮問委員会(第4回)開催

令和3年5月の「みどりの食料システム戦略」の策定を踏まえ、農林水産省は気候変動緩和や持続的農業の実現に資する技術のアジアモンスーン地域での実装を促進するため、令和4年度から「みどりの食料システム基盤農業技術のアジアモンスーン地域応用促進事業」を開始し、国際農研が同事業を「グリーンアジア(プロジェクトの略称)」として実施しています。

第4回目となる国際科学諮問委員会は令和6年3月15日にオンラインで開催しました。冒頭、小山理事長と内田農林水産省農林水産技術会議事務局研究総務官(当時)から開会挨拶があり、その中で内田総務官からは、グリーンアジアの取組がASEAN地域への日本の協力イニシアティブである 「日ASEANみどり協力プラン」に掲載されていること等が述べられました。その後、諮問委員会事務局(国際農研)から、第3回会合(2023年9月)以降のアップデートとして、「アジアモンスーン地域の生産力向上と持続性の両立に資する技術カタログVer.2」が国連やASEAN事務局のサイトで紹介されたことや、COP28等の複数の国際会議において、国際農研からグリーンアジアや技術カタログの紹介を行ったことを報告しました。また、グリーンアジアの共同研究である間断かんがい技術や生物的硝化抑制(BNI)強化コムギに関する実証試験の進捗も報告しました。

さらに、諮問委員会事務局(国際農研)から、第4回会合がグリーンアジアの折り返し地点(2年目の終わり)という節目のタイミングでの会議となったことをふまえ、実証試験の各課題における実装を念頭においたステークホルダーとの連携の具体的方法、及び情報発信の活動について、今後2年間の展望を紹介しました。

諮問委員からは、グリーンアジアの進展を評価するとした上で、

  • 同プロジェクトの個別技術についての評価だけでなく、アジアモンスーン地域全体として生産性と持続性の両立を実現するための道筋を示してはどうか
  • イノベーションの展開に伴うコストへの配慮が必要ではないか
  • 技術の普及にあたっての人的・技術的制約を踏まえ、デジタルツールの一層の活用を行ってはどうか
  • グリーンアジアの活動について、開発パートナーと連携することにより相乗効果が得られるように進めていくべきではないか

等、様々な提案、助言、及びコメントをいただきました。

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