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UNESCAP CAPSA会議

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UNESCAP CAPSA (Centre for Alleviation of Poverty through Sustainable Agriculture)は、1981年に雑穀、豆類、根茎作物に関する研究・研修等を行うCGPRTセンターとしてインドネシア国ボゴール市に設立された、ESCAP(国際連合アジア太平洋経済社会委員会)の地域センターです。その後、2004年と2010年の組織再編を経て、現在は持続的農業を通じた貧困解消を実現するための技術情報収集、分析、普及、政策提言等を行う「知識センター(Knowledge Center)」として活動しています。この度JIRCASは、CAPSAが主催した2つの会議に参加しましたので、その概要を報告します。 (1)「小規模農家に対する技術移転に関するハイレベル政策対話 “High-level Policy Dialogue on Technology Transfer for Smallholder Farmers”」(平成25年2月13日、ボゴール) CAPSAは、EU(欧州連合)の「アジアにおける食糧安全保障のための技術移転」プログラムにおけるプロジェクト「南・東南アジアにおける持続的農業技術と市場アクセス改善に関する知識移転ネットワーク(SATNET Asia)」を実施しています。本プロジェクトは、途上国間で技術情報を共有する「技術バンク(Technology Bank)」を構築することにより、持続的農業や農産物貿易のイノベーションを実現するための技術情報の交換を進めることを目的としています。 この度、本プロジェクトの一環として、政策立案者、研究者、技術利用者がアジア・太平洋地域における小規模農家に対する技術移転の課題を議論することを目的として、標記会合が開催されました。 会議には、主催者であるCAPSAとEUの他、アジア・太平洋地域を中心とする20ケ国・地域(アフガニスタン、豪州、バングラデシュ、ブータン、カンボジア、中国、台湾、フィジー、ドイツ、インド、インドネシア、ラオス、マレーシア、ミヤンマー、ネパール、パキスタン、パプアニューギニア、フィリピン、スリランカ、タイ)の行政・研究機関やNGO、国際機関(AVRDC(アジア蔬菜研究センター)、CIAT(国際熱帯農業研究センター)、CIFOR(国際林業研究センター)、ESCAP、FAO(国際連合食糧農業機関)、世界銀行)等から計89名が参加しました。インドネシア農業研究開発庁長官、フィジー農業局研究部長、パプアニューギニア国立農業研究所所長の3名による基調講演、基調講演者に加え在ジャカルタアフガニスタン大使、CIFOR研究者、インドネシア農業NGO代表によるパネルディスカッション及びアジア・太平洋地域における小規模農家に対する技術移転の成功事例に関する12件の報告が行われました。JIRCASからは、インドネシアの民間企業によるキャッサバ接ぎ木苗の普及活動について情報提供を行いました。

(2) UNESCAP CAPSA第9回理事国会合(平成25年2月14-15日、ボゴール) CAPSAは毎年1回、前年度の活動概要の報告と新年度の事業計画等を議論することを目的として、CAPSAの理事国をメンバーとする理事国会合(GC: Governing Council)を開催しています。 この度開催された第9回会合には、CAPSA理事国(アフガニスタン、バングラデシュ、フィジー、インドネシア、マレーシア、パキスタン、パプアニューギニア、フィリピン、スリランカ、タイ)、関係国(カンボジア、ドイツ、ラオス、ベトナム)、国際機関(ESCAP 、FAO、Center on Integrated Rural Development for Asia and Pacific: CIRDAP = アジア・太平洋地域の15ケ国がメンバーで、持続的な農村開発へ向けた研修、WS等を実施, Secretary of the Pacific Community: SPC =太平洋地域22ケ国・地域がメンバーで、農業を含む各種分野で持続的な開発に向けた活動を実施)から計40名が参加しました。会議では、CAPSA所長及び同センター研究員から、2012年の活動実績、財務状況、2013年のワークプラン等が報告、提案され、メンバー国によって承認されました。またアジア・太平洋地域におけるJIRCASとCAPSAの今後の協力拡大の可能性について意見交換を行いました。

  • UNESCAP CAPSA第9回理事国会合 UNESCAP CAPSA第9回理事国会合
  • 技術移転に関するハイレベル政策対話 技術移転に関するハイレベル政策対話

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