ベトナム社会主義共和国(ベトナムしゃかいしゅぎきょうわこく、ベトナム語: Cộng Hoà Xã Hội Chủ Nghĩa Việt Nam / 共和社会主義越南)、通称ベトナム(ベトナム語: Việt Nam / 越南)は、東南アジアのインドシナ半島東部に位置する社会主義共和制国家。首都はハノイ。ASEAN加盟国、通貨はドン、人口9,250万人(2014年末)。 国土は南北に細長く、北は中華人民共和国、西はラオス、南西はカンボジアと国境を接する。東は南シナ海に面し、フィリピンと対する。
(DBpediaより引用)関連するJIRCASの動き
対日理解促進交流プログラム「JENESYS2019」ASEAN招へい団が国際農研を訪問
令和2年2月20日(木)、農地整備技術交流を目的に、ベトナム農業農村開発省および農業・農村開発局の職員等14名が国際農研を訪問しました。
2019年若手外国人農林水産研究者表彰報告
令和元年11月26日、つくば国際会議場中ホール200において若手外国人農林水産研究者表彰(農林水産省農林水産技術会議主催)の表彰式典が挙行され、開発途上地域のための農林水産業及び関連産業に関する研究開発に優れた功績を挙げた3人の若手外国人研究者が表彰されました。
刊行物
広報JIRCAS (5)
国立研究開発法人 国際農林水産業研究センター, 広報JIRCAS5
jircas5-_-.pdf3.62 MB
熱帯農業地域における国別研究問題とその背景 : 第1部
大野芳和, 石原修二, 牛膓英夫, 尾和尚人, 濱村邦夫, 池田俊彌, 宮重俊一, 国際農林水産業研究センター研究資料3 1107
researchdoc3-_1-107.pdf21.3 MB
ベトナムにおける農林業の特性解明調査報告書
牛腸英夫, 濱村邦夫, 熱研資料92
nekken_shiryo92-_-.pdf30.44 MB

総合討論 (熱帯における水稲2期作化に伴う病害虫対策に関する研究(平成2年度熱帯農業試験研究推進会議研究推進部会))
, 熱帯農研集報73 128131

酸性硫酸塩土壌の分布と特性 (第8回熱帯農業専門分野別研究会--パラ酸性硫酸塩土壌の利用)
井上 隆弘, 熱帯農研集報57 29
関連するイベント・シンポジウム
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場所
石垣市中央運動公園総合体育館(沖縄県石垣市平得439)「温暖化防止エリア」
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JIRCAS-カントー大学メコンデルタにおける緩和策技術に関する政策提言ワークショップ
場所ベトナム・アンジャン省ロンスエン市
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JIRCAS-カントー大学気候変動対応プロジェクトワークショップ2018
場所ベトナム・カントー市
出張報告書
報告書番号 | 出張年月 | 国名 | 出張目的 | 関連プログラム |
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H31-0405 | 2020年02月 - 2020年03月 | ベトナム | 水稲作等における高収益低環境負荷技術の開発(春夏作開始) | 資源・環境管理 |
H31-0509 | 2020年02月 - 2020年03月 | ベトナム | 家畜飼養及び廃棄物処理に係る温室効果ガス排出とその削減技術についての調査など | 資源・環境管理 |
H31-0448 | 2020年01月 - 2020年02月 | ベトナム, カンボジア | 1.ベトナムにおけるウンカの殺虫剤感受性検定及び抵抗性品種に関する情報収集、2.カンボジア王立農業大学、ベトナム南部植物保護研究センター及び調査地における研究打合せ | 農産物安定生産 |
H31-0351 | 2019年11月 - 2019年12月 | ベトナム | 水稲作等における高収益低環境負荷技術の開発(冬春作播種) | 資源・環境管理 |
H31-0255 | 2019年09月 - 2019年09月 | ベトナム | A1気候変動プロジェクトの活動視察、ワークショップ出席 | 資源・環境管理 |
研究成果情報
- ⽔稲の葉⾊に基づく施肥設計はメタン発酵消化液の肥料利⽤でも有効である(2019)
ベトナムのメコンデルタにおける水稲栽培において、バイオガスダイジェスターのメタン発酵消化液を肥料利用する際に、安価な葉色板で測定・数値化できる葉色の変化から施用時期を決定することで、慣行レベルの子実収量を達成できる。
- ベトナム北部におけるイネウンカ類に対する殺⾍剤の使⽤状況と散布法の評価(2019)
ベトナム北部の稲作農家は様々な種類の殺虫成分を使用している。また成分使用回数が農家水田内のウンカ密度低下に寄与する程度は低い。殺虫剤散布時の薬液の付着程度がウンカの生息部位で低いことが、低効果の一つの要因と考えられる。
- 東南アジアにおける肉牛からの消化管発酵由来メタン排出量の推定(2018)
東南アジアにおける肉牛からの消化管発酵由来メタンの排出量と変換係数は、飼料摂取量、飼料の化学成分と飼料消化率から推定できる。メタン排出量の推定に利用されているメタン変換係数の東南アジア肉牛での値は、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)による既定値よりも高い。
- 稲わら堆肥連用はメコンデルタ水田に増収をもたらし、炭素隔離に貢献する(2017)
ベトナム・メコンデルタの水田における長期連用試験より、ヘクタールあたり6 tの稲わら堆肥の施用は、無施用に比べ、水稲収量を乾期作で0.75~0.87 t、雨期作で0.91~0.96 t高め、土壌炭素量を年間356~401 kg ha-1 year-1増加させる。
- 家庭用バイオガス発生装置は温室効果ガス排出削減と農家の便益を実現する(2016)
途上国の農村部に家畜の排せつ物等を原料とする家庭用バイオガス発生装置を導入することは、温室効果ガスの排出削減と農家の調理用燃料経費の節減、労働時間の短縮など農家の便益を実現する気候変動緩和策である。
- インドシナ半島の発酵型米麺のタンパク質分解と特徴的なテクスチャの関連性(2016)
インドシナ半島で生産、消費される発酵型米麺では、原料米のコメ貯蔵タンパク質の一部が選択的に分解を受けることで、伸展性に優れたテクスチャとなる。発酵させない場合、麺のゲルの破断点となる構造がタンパク質により形成されるため、伸展性に乏しい。
- アセアン国別食料需給モデル作成・運用マニュアルによる成果の普及(2016)
アセアン加盟各国を対象として食料生産・消費の中期予測を行うための非均衡モデルを作成・運用するためのマニュアルを作成し広く公表する。マニュアルは、モデルの作成法を基礎的な計量経済学の概念と共に示し、モデルの理解・作成・運用に寄与する。
- 未利用バイオマスを活用したバイオガス発生装置の安定利用(2014)
農家用の小規模なバイオガス発生装置(BD)からのガスの発生量は、原料となる家畜の排せつ物の供給量の影響を受けるが、ホテイアオイなどの未利用バイオマスを補助的な原料として活用することで、BDの安定的な利用が可能となる。
- メコンデルタ洪水常襲稲作地域におけるフルダイクの普及と水文環境への影響(2013)
メコンデルタの洪水常襲稲作地域を対象に稲3期作化のためのフルダイク(輪中)の普及が水文環境に与える影響を分析したところ、フルダイク地区の周辺域で洪水の長期化や水位の上昇傾向が認められる。
- 低所得農家を対象としたバイオガス発生装置の導入によるCDM事業の国連登録(2012)
ベトナムメコンデルタにおいて、低所得農家を対象としたバイオガスダイジェスター利用による持続的な農村開発及び温室効果ガスの排出削減を目的としたクリーン開発メカニズム(CDM)事業を形成する手法を開発・実証し、国連へ登録。
- 気候変動下の蒸発散量の変化がメコン川下流域のコメ市場に与える影響と生産余力(2011)
メコン川下流域を対象とする気候変動の影響の分析が可能なコメの需給モデルを用いて、気候変動が、メコンデルタ地域のコメ生産量を減少させることを示し、また、灌漑開発計画とモデルで推定された作付面積の比較により、メコン川下流域4カ国各県各地域の生産余力を示した。
- グリーニング病多発生環境下でキングマンダリンの高収益栽培を可能とする総合管理技術(2010)
無病苗とネオニコチノイド系殺虫剤施用を軸とする生育初期防除の徹底と初期生育量確保のための適切な肥培管理によるグリーニング病の総合管理技術(IPM)により、ベトナムメコンデルタのグリーニング病多発生環境下でもキングマンダリンの高収益栽培が可能となる。
- ベトナムメコンデルタの生育不良グアバから分離された同国初記録のネコブセンチュウ(2010)
ベトナムメコンデルタで多発する生育不良から枯死にいたるグアバの根には、根こぶが形成される。そこから得られる卵嚢由来の線虫幼虫のDNA解析結果から、本種はベトナムでは初記録であるネコブセンチュウMeloidogyne enterolobiiと同定される。
- メコンデルタ地域におけるキングマンダリン生育初期のグリーニング病感染率低減技術(2008)
メコンデルタ地域においてキングマンダリンを定植する場合、定植10日前にネオニコチノイド系薬剤を苗の株元に灌注処理し、グリーニング病を媒介するミカンキジラミが低密度となる雨季後半から乾季前半に定植すると、生育初期の感染率を低減できる。
- アジア開発途上地域の農業技術開発目標の重要度(2006)
アジア開発途上地域の農業研究者、普及職員及び農家の間には、農業技術の開発目標の重要度や、技術開発目標の達成により期待される効果の認識に差がある。特に農業経営・技術普及に関する研究については、貧困解消への寄与が農家から期待されており、この分野の研究成果を農業技術政策へ反映させる努力が、研究開発への信頼醸成のために重要である。
- メコンデルタ水田における稲わら堆肥連用効果(2005)
メコンデルタ沖積土壌地帯での稲わら堆肥の連用試験において、化学肥料を慣行の40および60%減肥して稲わら堆肥を施用した水田は、化成肥料のみを慣行量施用した水田に比較していもち病発生時には罹患率が低くなり、統計的有意差はないものの6作目以降の収量が高くなる。
- 隣接カンキツ園への距離20m以内にあるカンキツ新植園での定植直後のミカンキジラミ防除の必要性(2005)
カンキツグリーニング病媒介虫ミカンキジラミ(Diaphorina citri)は、既存カンキツ園との距離が20m以内にある新植園には、定植後半月内で多数侵入し、1ヶ月内に第一世代を出現させ、その後個体群を維持する。既存カンキツ園までの距離が20m以内にある新植園は、定植直後より侵入個体の防除が必要である。
- グリーニング病激発地での無病苗の植付と薬剤施用によるカンキツ栽培延長・増収効果(2005)
カンキツグリーニング病激発地のベトナムのメコンデルタ地帯でのカンキツ品種キングマンダリンの栽培において、本病の媒介虫であるミカンキジラミ(Diaphorina citri)に対する浸透性薬剤と無病苗を利用した果樹園では、これらを利用しなかった果樹園に比べて栽培期間が1~2年間長く、所得も高い。
- メコンデルタにおける米ヌカ主体豚飼料へのサトウキビ・シロップ添加効果(2004)
米ヌカを主体とした飼料中にサトウキビ・シロップを4%添加することにより、豚の増体、飼料要求率が改善される。また、米ヌカを主体としながらサツマイモ茎葉を乾物当り10%配合した飼料中にサトウキビ・シロップを3%添加することにより、増体、飼料要求率及び粗タンパク質、粗脂肪等の消化率が改善される。
- ベトナムメコンデルタにおける低利用飼料資源を用いた豚の購入飼料代替と肉質の改善効果(2003)
養豚用飼料として米糠、破砕米が多給される地域において、ホテイアオイ(Eichhornia crassipes)、ウォータースピナッチ(Ipomoea aquatica)等の低利用飼料資源を給与することにより、増体、飼料要求率には悪影響を与えず、背脂肪厚、背脂肪ヨウ素価等の肉質も改善され、農家の収入増加に役立つ。
- ベトナム・メコンデルタの養豚農家における豚コレラの診断と損耗対策(2003)
ベトナム・メコンデルタでは子豚の致命的疾病として豚コレラが重要な原因であることが明らかとなった。予納接種を効果的に行うためには、市販ワクチンの一本化と接種時期の適正化、普及ワクチンでは母豚は6カ月毎に種付け前の接種、子豚へは生後1月目の接種が必要である。
- メコンデルタに適した小型籾乾燥機の開発(2002)
本機は、ベトナム・メコンデルタの雨期に適した個別農家向けの稲籾乾燥機である。構造が簡単なので取り扱いが容易で、2tの湿籾(水分25%)を約13時間で乾燥することができる。また、胴割れ率を低く抑え、乾燥開始約5時間後の混合・攪拌操作により水分ムラを少なくすることができる。
- ベトナム・カントー省における農業開発に伴う窒素フローの変動予測(2002)
メコンデルタのカントー省において作成された農業開発計画を基に、農業生産に関する窒素フローを推定すると、2010年には家畜糞尿として発生する窒素が59kgN/ha/yearと1999年の3倍以上に増加する。
- ベトナム・メコンデルタにおけるオニテナガエビの稚エビ培養技術の確立と技術移転(2002)
グリーンウオータシステム(植物プランクトン餌料)はオニテナガエビの安定種苗生産技術を可能にする効率的な稚エビ培養技術であり、飼育水を交換する必要がないので、従来システムより生産コストを低く抑えることができる。このシステムの技術移転により、2002年のベトナムの稚エビ生産量は1990年の50倍の5,000万尾に拡大した。
- エビ類の成熟度判定技術の開発(2002)
エビ類を用い、卵黄タンパク質の全アミノ酸配列、プロセシング経路および成熟過程に伴う遺伝子発現変化にもとづいて開発したエビ類の成熟度判定法により、親エビを選定できる。
- メコンデルタの水稲潤土直播栽培における収量性からみた最適播種量(2000)
メコンデルタの水稲潤土直播栽培において、慣行播種量(200~250kg/ha)より少ない播種量(50~100kg/ha)で最高収量が得られる。必要な苗立数確保と手播ムラを小さくするためには、播種量(80~100kg/ha)が奨励される。本播種量は慣行播種量の1/2~1/3に節減されるため新品種の普及および種子の更新が促進されると共に種子費用も節減できる利点がある。
- ベトナムメコンデルタ在来稲における耐塩性品種選定のための遺伝的多様性の評価(1999)
水稲60品種と陸稲5品種を含むメコンデルタ在来稲は、43個のDNAマーカー(マイクロサテライトマーカー)を用いたクラスター分析により遺伝的多様性が明らかになり、それらメコンデルタ在来稲61品種から14の耐塩性品種を選抜した。
- メコンデルタにおける農牧水復合技術体系の評価と改善(1998)
ドイモイ政策の進展、定期的・大規模な洪水、発達した水路系統の条件下でメコンデルタの農畜水複合技術が発達している。2期作稲作、ブタ育成、水産養殖を組み合わせ物質と水の循環を技術の主要構造とし、平均1ha小規模家族経営であり、階層分化が進んでいる。
- 途上国を対象とした農業の総合研究における国際共同の推進方策(1998)
メコンデルタのように情報の蓄積が少ない地域を対象に国際共同による総合研究を行う場合、コーディネーターに情報を集中するとともに関係者の自由な参加の国内支援グループによる、具体的な目標設定、計画作成、評価及び広報が必要である。
- ベトナムに分布するイネいもち病菌およびイネ白葉枯病菌の病原性(1998)
ベトナムのメコンデルタを中心に、イネいもち病菌、及びイネ白葉枯病菌を収集し、病原性特性(レース)を明らかにすると共に,それらに対する低抗性遺伝子源の検索を行った。いもち病ではPish, Piz-t 及び Pik-p が、また、白葉枯病ではxa-5, Xa-7, Xa-17が、それぞれ低抗性遺伝子源として有効と考えられた。
- ベトナム・メコンデルタにおける豚回虫の感染状況と駆虫の経済効果(1998)
ベトナム・メコンデルタで飼養される豚について豚回虫(Ascaris suum)の感染状況を明らかにするとともに、駆虫の経済効果について検討した。駆回虫感染豚を駆虫群と無駆虫群に分け、増体重を比較したところ、駆虫群では体重80kgに達する期間が約2週間短縮された。その経済効果は1頭当たり約200円と見積もられた。
- ベトナム・メコンデルタの水稲栽培における問題点と改善方策(1997)
メコンデルタの水稲栽培はファーミングシステムの基幹であり、2期、3期作等の新技術導入により生産性は向上しつつあるが、雨季作はいまだに不安定である。葉色などによる生育診断と、窒素施用法や水管理の改善により、倒伏が回避され、生育・収量の安定化が可能である。
- ドイモイ政策下のベトナム・メコンデルタにおける農業構造変動(1997)
ベトナム・メコンデルタでは、1988年以降、ドイモイ政策により市場経済が導入される中で、農家の階層分化が顕著に進行している。急速に規模拡大する農家、規模を縮小し土地無し層に転落する農家が存在する一方、2ha未満の中小規模層には、複合経営を取り入れて、経営の安定化を図る動きも認められる。地域単位での複合化を目指す必要がある。