国際農研がインド中央土壌塩類研究所(CSSRI)と共同で取り組んでいる、カットソイラーによる塩類土壌の改良への取り組みが、インドの新聞(The Tribune紙地方版)の記事(7月4日付)として掲載されました。インターネットの動画記事としても配信されています。記事の概訳は以下の通りです。なお、この取り組みは、アジア・島嶼資源管理」プロジェクトの下で実施されております。 

記事の概要:日本の力を借りて塩類土壌の改良に取り組む

インド中央土壌塩類研究所(CSSRI)はハリアナ州とパンジャブ州の塩類土壌の克服に取り組んでいる。塩類土壌はハリアナ州で約31万ヘクタール、パンジャブ州で約15万ヘクタールに及び、そこでは多くの作物の生産性が低い。CSSRIは暗渠排水(Sub-surface drainage: SSD)技術を用いて、塩類土壌の改良を行っている。しかしながら、この技術は大面積への導入に適したものであり、施行コストは1ヘクタールあたり10万ルピー(約16万円)と高額である。経済的効率を高めるため、(CSSRIと共同研究を実施している)国際農研は「カットソイラー」という廉価な塩類土壌を改良する機械を導入した。CSSRI所長のP. C. Sharma氏によると、日本ではこの機械は排水不良土壌の改善に利用されている。本プロジェクトのリーダーであるR. K. Yadav部長によれば、カットソイラーの施工コストは1ヘクタールあたり約1万ルピーである。これまでのところ、カットソイラーはカルナール市、パーニーパット県、パティアラ県で施工を行った。Sharma所長によれば、暗渠排水では地下1.5mに排水管を埋設し農地から過剰な水を排水する。一方でカットソイラーは地下60 ㎝に排水のための暗渠を造成し、同時にこの暗渠に作物残渣を充填する。CSSRIは2021年6月末までに個人農家向けの低コスト塩類土壌改良技術として技術の標準化を目指すとのことである。

動画記事解説

導入部:CSSRI(ハリアナ州カルナール市)の建物、カットソイラーを見せた後に、パティアラ県の農家にてカットソイラーを用いて農家圃場の地下に排水暗渠を施工しているところ。農地表面には排水暗渠に充填するための作物残渣と石こうが置かれている。

記者:塩類土壌は農業生産にとって大きな問題です。中央土壌塩類研究所(CSSRI)は、国際農研の協力で塩類土壌改良への取り組みを開始しました。

Sharma所長:CSSRIはこれまでに暗渠排水(Sub-surface drainage: SSD)技術を用いて、塩類土壌の改良を行っている。この技術は大面積への導入に適したものであり、個々の農家による施工には向かない。CSSRIは国際農研との協力によって、研究プロジェクト行い、日本よりカットソイラーを導入した。カットソイラーは地下60㎝に排水のための暗渠を造成し、同時にこの暗渠に作物残渣を充填することができます。

記者:次に本プロジェクトのリーダーであるR. K. Yadavにも解説していただきます。

Yadav部長:カットソイラーは低コストで個々の農家が個別に施工可能な技術で、既存の技術を補完することが期待できます。


The Tribune (2019/7/4)
Karnal based CSSRI working on a new project to overcome soil salinity in Haryana and Punjab
https://youtu.be/mIIeVqWDJRQ