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国際食糧政策研究所(IFPRI)「グローバル食料政策レポート・2018年版 [International Food Policy Research Institute. 2018 Global Food Policy Report.]」概要

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2017年は、国際貿易を巡る情勢に関して、進歩と不確実性の増大が入り混じった年であった。世界経済は停滞期を乗り越えて回復を見せた一方、紛争や飢饉・難民危機による飢餓問題が深刻化した。また世界的に反グローバリゼーションの機運が高まり、アメリカやイギリスでの保護主義台頭や世界貿易機構(WTO)閣僚会議で共同宣言の合意に至らなかったエピソードなど、世界貿易・投資・人々の移動を脅かした。こうした動向は、世界的に食料・栄養安全保障を達成しようとする努力にも暗い影を落としかねない。

2018年、世界経済はとりわけ新興国の影響を受けて成長が予測されるが、昨今の反グローバリゼーションは貿易・投資・移民動向に影響を与え、政治・経済的に不確実な状況を醸成するであろう。健全なフードシステムの実現には、グローバリゼーションから目を逸らさず、その欠点を修正しつつ、商品・投資・人材・知識の自由な流れによる利益を最大化するための努力が必要である。より開かれ、透明性を維持し、包括的なフードシステムには、とりわけ研究・革新・エビデンスベースドポリシーへの投資が必要である。

より詳しい内容に関しては、以下の報告書原文を参照のこと

International Food Policy Research Institute. 2018. 2018 Global Food Policy Report. Washington, DC: International Food Policy Research Institute. https://doi.org/10.2499/9780896292970

なお、概要に関する本翻訳は、IFPRIから公式に承認を受けたものではなく、翻訳上の誤りなどの責任は文責にある。

(文責:研究コーディネーター  飯山みゆき)

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