不良環境でのバイオマス生産性が優れる新規資源作物とその利用技術の開発(高バイオマス資源作物)

関連プログラム
農産物安定生産

2018-10-30

不良環境でのバイオマス生産性が優れる新規資源作物とその利用技術の開発(高バイオマス資源作物)

 世界の人口増加や新興国の経済発展等に伴って、食料需要が増加するだけでなくエネルギーの需要が今後急激に増大することが予想されます。高バイオマス資源作物プロジェクトでは、天水に依存し農業生産が不安定な不良環境地域に、高バイオマス資源作物を利用した食料とエネルギーの安定的・持続的な生産技術を普及させることで、食料・エネルギー問題の解決に貢献することを目標にしています。生産するバイオマスを砂糖生産だけではなくエネルギー生産にも利用できるサトウキビは、そのための重要な候補作物と考えています。JIRCASでは、サトウキビ野生種との種間交雑を利用して、長い乾季や低肥沃土壌下でも糖質や繊維質の生産性が高い多用途型サトウキビ品種を育成しタイ国で品種登録しました(図1)。本プロジェクトでは、持続的安定的栽培技術やバイオマスの効率的な利用技術の開発を通じ、多用途型サトウキビ品種やサトウキビの近縁遺伝資源であるエリアンサス(図2)の利用拡大を図ります。さらに、より不良な環境条件でのバイオマス生産性が優れた新規サトウキビ品種を育成することを目標として、サトウキビとバイオマス生産性や不良環境耐性に優れたエリアンサスとの属間雑種の戻し交雑集団を作出し、不良環境下でのバイオマス生産性が優れた有望系統を選定するとともに、属間雑種を効果的に育種に利用するための形質評価技術やDNAマーカーを利用した育種技術の開発を進めます。

図1 多用途型サトウキビ品種(左)と製糖用品種(右)

図2 東北タイで旺盛な生育を示すエリアンサス

関連するページ